俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
大地の元カノの、詩織さんだ。

「あの…なにか?」

「どーも。大地とデート?」

え? なんかこないだと雰囲気違くない?

「あ、はい…」

「ふーん。あなた前も思ったけど随分と派手よね。大地のタイプとだいぶ違うわ。その髪の色も似合ってない」

はい?
いやいや、そもそもこれ大地がしてくれたんだけど。
この人こそ何もわかってないんじゃないの?

「そうですか? 彼は綺麗だって褒めてくれましたよ?」

「あなたどうせ、そんな見た目だから色目使って大地に近寄ったんでしょ?」

何言っちゃってんのこの人。
おいおい大地ー。ヤバいぞこの女。
本性すごいんじゃないのか?

「大地って凄いでしょ。今も私をしょっちゅう部屋に呼んで愛してくれてるのよ? あなた大地に遊ばれてるの気づかないの?」

そんな…

って騙されるか!
この人本当に何も知らないんだ。

だって、私達は部屋が隣同士ともあって夜はいつもどちらかの家に泊まっている。

とりあえず知らないフリでもしてみようか。

私はわざとらしく驚いた顔をして見せた。

でも内心はドキドキしていた。
だってまだ私たちはちゃんと繋がれてないから。
この人は、大地と二年も付き合ってたからきっと全部知ってる。

わかっていてもダメージはデカい。
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