俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
そう言うと、大地は私の腰に手を回して歩き出した。

チラッと元カノを振り返れば、凄い形相で睨んでいた。

「もう勝手にしなさいよ! あんたなんか顔だけじゃない! こっちがごめんだわ!」

もうやめてよ。
大地を見あげれば…
え? 笑ってる⁈

「美空。本当に俺は心配ないから。ごめんな? 気分悪いよな」

「いや、別にそれは大丈夫だけど…なんか凄い人だったね」

「そうだな。俺も自分を出してなかったけど、あの女もヤベェ奴だったらしいな。あんな大人しそうな顔して。俺なんか顔だけだとよ。ははは!」

「酷いよ! 大地の事何もわかってない!
悔しい! よし! 大地! 気を取り直してディナー楽しもう! ってかスーツ!」

「はは! そだな。ありがとな。どう? 俺のスーツ姿」

「想像以上でございました」

「惚れ直した?」

ニタニタといつものように見下ろす大地に素直に頷いた。

「はは。美空も綺麗だ。誰よりも」

そう言って私のこめかみに歩きながらキスをした。
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