俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい

なんなのこの人。

「俺だけには全部見せて」

朝から大地はものすごい事を言っている。

まさか、まさかこんな私をここまで好いてくれる人がいるなんて。

変わらず家ではジャージを着てあのダサい瓶底メガネスタイルの私。
大地はよっぽど変わり者なのかもしれない。

そんな私を抱きしめて、落ち着くーとか言い出すくらいだ。

「見せてるでしょ?」

「もっとだ。わがままも笑った顔も、怒った顔も、寝ぼけてる顔も、照れてる顔も。甘える美空も全部だ」

「大地って変わってる?」

「いや? 普通だろ」

「ふふふ! 幸せー」

素直に甘えてみる事にした。

「はぁーたまらん。可愛すぎてダメだわ。もう俺、我慢しなくていいんだよな?」

「え? あ、うん…」

「俺に甘やかされる覚悟はとっくにできてるよな?」

そう言って、私が答える前に極上の笑みを浮かべ甘い甘いキスが降ってきた。
< 180 / 268 >

この作品をシェア

pagetop