俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
「だからさ、学生の頃の私を知ってるし、働きづらいったらないわー」

「まぁ、その気持ちはわからないでもないな」

「でしょー? 大地の事もすぐに気づくかもよ?」

「俺は別にいいけど」

「今日もさ、帰る時後ろから追いかけてきてさーめっちゃ走って逃げた」

「フッは! まぢで? ヒールで?」

「そだよ! 本当勘弁してほしい」

「俺、なんか言ってやろうか?」

「なんて言うのよ」

「俺の女に手出すな」

いやいや、笑ってますやん。

「余計に働きづらいわ!」

「だよな。でも、付き合ってんのは隠さなくてもいいんじゃね? 口止めしとけば。柚ちゃんだっけ? みたいによ」

「確かに。それもそうだね。大地の事聞かれたらその方向で話してみるわ」

結局、身構えていたけど、七海くんはそれから1週間特に何も言ってくることはなかった。

私の事を誰かに話している様子もない。
大地の事も気づいてないみたいだし。
なんだかビクビクして損した気分だ。
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