俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
そして、並んで会場へと向かう。

今日は、大地がヘアメイクをしてくれた。
自分でするよりずっといい。
立体的なメイクで、アイラインが長めに跳ね上がるようにひかれた。
猫みたいだ。
髪は、ぱっつんの前髪を残して高い位置に結ばれて、そこから毛先まではキャンディヘアにされた。

完成するやいなや、大地はかわいいを連発してそのまま襲われそうになりなんとかそれは阻止した。

「美空が可愛すぎて、やばい」

まだ言ってる。

「大地がしたんでしょ?」

「だから尚更だ」

そう言って、周りの目も気にせず歩きながらこめかみにキスを落とした。

「ダメだって!」

「うるせぇ。こんぐらいさせろ」

「帰ったら、ね?」

大地は大きく目を見開いたと思えば、フッと微笑むと耳元で囁く。

「ああ。たっぷりな。覚悟しとけ」

思わず、あまりの色気のある声で囁かれボッと赤面してしまった。

「はは! 顔真っ赤。可愛すぎ。襲いそうだわ」
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