俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
「どうも。美空がお世話になってます。交際相手の藤堂大地です。よろしく」

「藤堂大地…やっぱり。美空さんのライバルでしたよね? お付き合いされてるんですか?」

だから交際相手って言っただろうが。
やっぱりなんか棘あるな。

「ああ。付き合ってる。俺、向かい側のサロンのBに勤めてるんだ。俺たちの事は黙っててもらえるか? 大人なら、この意味わかるな?」

「え…向かい側の店にいるんですか? 全然気づかなかった…。わ、わかりました。黙っておきます」

なんだ?
以外と素直?

「あ、俺、七海隼人って言います」

「あの、七海くん。その、よろしくね? くれぐれもお店の人には…」

美空も心配そうに話しかける。

「はい、大丈夫っす。俺、口は固いんで」

美空はそれを聞いて安心したのか、肩の力を抜いた。

「それじゃ、俺たちはこれで」

そう言って、美空を更に引き寄せ足早にその場を離れた。
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