俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
隣同士
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「ありがとうございました。デート楽しんで来てくださいね」
ピカピカに磨かれ指紋ひとつないガラスの扉を開けて、完璧な笑顔で本日のラストのお客さまをお見送りした。
ふと通りの向こうの店が目に止まる。
向こうも、どうやらラストのお客さまをお見送りしたところのようだ。
お互い、バチっと目が合った。
ギッと睨む私。
そんな、私を鼻で笑うようにニヤっと右側の口角を僅かにあげて笑うと、何事もなかったかのように、彼はまた店内に入って行った。
ふんっ。何よ。スカした顔しちゃって。
いけないいけない。
ここはまだ仕事場だ。
そう言い聞かせ、慌てて表情を戻し私も店内に入った。
私は、神楽 美空(かぐらみく)28歳。
ヘアサロン『FREE』で、トップスタイリストとして働いている。
ママの両親、つまり私の祖父母が都内でサロンを経営していて、その影響もあり美容師の道に進む事にし、日々技術を磨くために人一倍の練習を重ね、最短でトップスタイリストに上り詰めた。
「ありがとうございました。デート楽しんで来てくださいね」
ピカピカに磨かれ指紋ひとつないガラスの扉を開けて、完璧な笑顔で本日のラストのお客さまをお見送りした。
ふと通りの向こうの店が目に止まる。
向こうも、どうやらラストのお客さまをお見送りしたところのようだ。
お互い、バチっと目が合った。
ギッと睨む私。
そんな、私を鼻で笑うようにニヤっと右側の口角を僅かにあげて笑うと、何事もなかったかのように、彼はまた店内に入って行った。
ふんっ。何よ。スカした顔しちゃって。
いけないいけない。
ここはまだ仕事場だ。
そう言い聞かせ、慌てて表情を戻し私も店内に入った。
私は、神楽 美空(かぐらみく)28歳。
ヘアサロン『FREE』で、トップスタイリストとして働いている。
ママの両親、つまり私の祖父母が都内でサロンを経営していて、その影響もあり美容師の道に進む事にし、日々技術を磨くために人一倍の練習を重ね、最短でトップスタイリストに上り詰めた。