俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
slowに行けば、これまたハトコの冨樫奏翔(とがしかなと)がマスターをしているため、カウンターに私と絃が並んで、その前に奏翔という構図で飲む事になる。

「こないだ、丈慈がきた時、お前の彼氏の話ししてったぞ」

奏翔がニヤニヤと言ってきた。

「何お前。彼氏できたんか?」

絃もニヤニヤしだす。
やめろ。

「だったらなによ」

「いや、物好きもいるんだなーってよ。なっ!」

絃が奏翔に同意を求めている。

「ははは! 美空の事、ちゃんと見てくれる男らしいぞ? 丈慈もいい男だって褒めてたぞ」

奏翔はグラスを磨きながら笑っている。
丈慈、そんな事言ってたのかい。
ふふふ。

「おい。気持ち悪りぃな。ニヤついてんなよ。写真とかねぇの?」

写真?
あ、前に撮ったのあるな。
結衣ちゃんのショーの時のやつ。
私は、大地のスーツ姿の写真を見せた。
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