俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
その後も、三人でやいやい飲んでお開きになった。

絃と並んで歩く。
すれ違う人がチラチラと見ていく。
まただよ。

「絃ー。その顔面、隠してもらっていい?」

「あ? 気にすんな」

絃も、なんといってもイケメンだ。
私は見慣れてるから別になんとも思わないけど。

「はいはい。絃、彼女は?」

「は? いたらお前なんか誘わねぇわ」

「あっはは! 寂しい男だねぇ」

「うるせ! ほっとけ! ってか、おい。あれ…」

絃の目線の先をたどれば、女性の肩を借りて寄り添って歩く大地の姿が見えた。

え?

一気に心臓が速まる。

「あれ、お前の彼氏だよな? おい、どうなってんだよ! 許せねえ」

絃が怒りを露わにする。

「ま、待って!」

反対車線を歩く大地たちの元へ駆け寄ろうとする絃を止めた。
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