俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
さすがに、キレるわ。

しかも、美空も美空でキレてるし。
俺がどんだけお前を想って…

ヒートアップする俺たちを見兼ねた川口が、マシンガン並みの勢いで状況を説明して、颯爽と去って行った。

美空に少し落ち着きを感じた。
傷付けたいわけじゃないのに。

こんな風に言い合いがしたかったわけじゃないのに。

そしてさっきのイケメンは誰かと聞けば、まさかのまさかの親戚だった。

俺は一気に気が抜けてその場にしゃがみ込んでしまう。

まじでなんなの。
何人でてくんの。
何回勘違いすればいいの。

ただでさえ、七海相手にこんなにやきもきしてるのに。

そして、話があると言って美空の手を取り部屋に入った。

誰にも渡したくない。

美空を玄関で抱きしめる。
強く強く。
俺から離れるなと願いを込めて。
格好つけて平気なフリを続けるのはもう限界だった。

俺は口にする。

「美空。限界だ、俺。悪い」

すると、俺の腕の中で美空が急に泣き出したと思えば、衝撃的な言葉を言われた。

「わ、別れる?」
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