俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
「は? 何お前。別れたいの?」

まさか七海を?
二人で仲良さそうに練習している姿を思い出してしまう。

「大地は? 私と別れたいんでしょ?」

お前こそ別れたいのかよ。
なんだよそれ。

「無理だ」

本当に。
美空なしじゃ俺はもう無理だ。
息も吸えない。

「え?」

「もう無理だって言ってる」

すると、美空は俺からサッと離れて、涙を乱暴に自分で拭いた。

「ははは。そ、そうだよね。私なんて、やっぱり嫌われて当然だよね。あ、ありがと大地。今まで。私は、本当に大地の事…大地の事…」

そしてまた泣き出す。

え?
コイツ何か、勘違いしてないか?

「ちょ、ちょっと待て。美空。なんでそうなった。俺、無理だって言ったろ?」

美空の肩に両手を置く。

「え? だから…私と付き合うのが、もう無理…なんでしょ?」
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