俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
美空は後ろから抱きしめる俺の腕をギューっとした。
まったく。
嬉しい事を言ってくれるよな。
なんだか、正直に話して美空の気持ちを聞いたら、不思議と胸の燻っていたモヤモヤが晴れていくのを感じる。
何も不安になる事なんてなかったんだな。
「美空。ごめんな。今日も、用事あるなんて言って嘘ついて。どうしても、八つ当たりしそうで、逃げたんだ俺」
「ううん? 私も。様子がおかしいの気づいてたのに、ごめんね」
「美空の事になると俺…」
「いいの。大地。それで、いいの。私だって、女の人と一緒にいるの見てどうにかなりそうだった」
「ごめん本当に。最初は逃げて酒飲んでたんだけど、たまたま会ったアシスタントに喝入れられて。それからは、美空の事ばっかり考えてたらつい飲み過ぎて。でも、早くなんとか帰りたくて、あのアシスタントの彼氏にテレビ電話で断ってまで肩借りて帰ってきたんだ」