俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
大地が別れたいのかと思った時には、あんなに取り乱して泣いた。
うん。
絶対無理。
私が私でいられるのは、大地の前でだけだから。
大地の大きな愛を感じるから、ありのままの姿を出せる。
他の誰かじゃ、絶対に無理だ。
甘えるのも甘えられるのも、大地だけ。
そんな事を思っていれば、店の前に一台の車が止まった。
大地だ。
関係をオープンにする事にした私たち。
さっそく行動に出す大地がかわいく見える。
ちょうど練習も終了したところだ。
片付けをする。
運転席から私に気づいて、ニコっと微笑むと手をあげた。
私も手を振り返す。
「え? 美空さん。バレますよ!」
七海くんが片付けをしながらコソっと言ってきた。
「七海くん、お疲れ様。しっかり復習しておくようにね。あ、私たちオープンにする事にしたから。今まで黙っててくれてありがとね。それじゃ。お先に失礼しますね」
そして、荷物を持って店の外に出た。
すると、後ろから七海くんが追いかけてきた。
「美空さん! さっきのどういう事ですか?」
どういう事って…
「そのままの意味だけど?」
そう言えば、七海くんは急に私の手を取った。