俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい

「七海隼人さん。今回は、残念ながら不合格です。また、次回頑張ってください」

「はい。ありがとうございました」

結局、万丈一致で合格点には届かなかった。
かける言葉が出てこない。
その時、店長が七海くんに声をかけた。

「七海くん。惜しかったな。途中まではバッチリだったんだけどなー。でも大丈夫だ。俺、何回試験受けたと思う？」

「え？」

「驚くなよ？　6回だ」

「6回すか⁈」

「ああ。それでも今は店長してる。七海くんなら大丈夫。憧れの人に追いつきたいんだろ？　ここに入る時に言ってたじゃないか」

「そ、そっすね。頑張ります。ありがとうございます店長」

「ああ。七海くんならもっともっと上手くなるよ。間違いない。今回は残念だったけど、君は素晴らしい技術をもってる。自信を無くさず引き続き頑張って欲しい」