俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい


「そんな嘘までついて、いいっすよ。俺、もっとたくさん練習して、その時はまた美空さんに」

するとその時、遮るように大地が割って入ってきた。

「七海。諦めろ」

「大地さん?」

「七海。俺からも言わせてもらうが、美空は嘘ついてないぞ」

また驚いた顔を隠さない七海くん。
まぁ、そうなるよね。
それが普通の反応だろう。

私のジャージ姿を見て驚かないのは家族などの親戚関係と大地くらいだ。

「ま、まず、と、とにかく。わ、わかりました。俺、とりあえずまた次の試験まで頑張りますんで。大地さんにも美空さんにも負けないようなスタイリストなりたいんで」

「おお。そりゃ頑張れ。なんなら、俺が教えてやろうか?」

「いや、それはなんか悔しいんで、ありがたいっすけどお断りさせてください。それじゃ」

そう言って、逃げるように行ってしまった。

もっとスパッと振りたかったんだけどなぁ。
まぁ、なんとなく七海くんはこれで諦めてくれるだろう。


大地と顔を合わせる。

「それじゃ、帰ろうか」

「そだね!」

私たちは肩を並べて夜ご飯のメニューをどうするかなんて話しながら仲良く家路についた。
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