俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい


じーさんが俺の名を呼んだがもう知らん。
俺は襖を開けてその場から立ち去った。
なんなんだよ!
藤堂の名に恥じぬ?
女遊び?
ふざけんな。
しかも、彼女いる事信じてもらえなかった。
まぁ、これまでひとりしかいなかったし、唯一の元カノもクソみたいなヤツだったけど。

とりあえず、彼女がいる事は信じてもらわないとな。
美空にパーティーの件、参加できるか聞いてみるか。


ーーーー


「美空。今度TODOのパーティがあるんだけど一緒に行けたりする?」

ベッドで愛し合ったあと、まどろむ中聞く。

「パーティ? 全然良いよ! 私も参加していいの?」

美空は俺の腕まくらから頭を起こした。

「それは全く問題ない。創立記念パーティで誰でも参加できるし、美容関係の業界人もたくさん来る」

「あれ? それって案内状、うちの店に来てたかもしれない! 店の子たちが話してた」

「確かに行ってるかもな。一緒に行こう」

美空は元気にうん! と返事をすると楽しみなのか目を輝かせている。

「メイクアップアーティストのショーもあるから普通に楽しいはず」

「本当に? やった!」

ははは。かわいいな。
可愛くてすぐにちょっかいかけてしまいたくなるが、我慢我慢。
たった今したばかりだ。

「ドレス、一緒に選びに行こう。俺もスーツ用意したいし」

「あ、それならYUI FUJISAKIでもいい?」

「ああ。問題ない」

「それじゃ、言っておくね!」

ん? 誰に? 店に行かないのか?
まぁ、任せとけばいいか。
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