俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
そしてパーティーの前日、美空が物凄いオシャレでカッコいいオーダースーツを持って俺の部屋へやってきた。
それは暗めの紫の光沢のある生地に、同色のベルベッドのマットな質感で、ペイズリーの模様が大胆に施されたスリーピースのスーツだった。
襟の部分はブラックになっていた。
さっそく着てみれば、サイズもピッタリの完璧なフォルムだった。
「やば! カッコよすぎ。さすがYUI」
スーツがかい。
「だから、俺を褒めろっての。てか、あの採寸だけでこんな短時間で作ってくれたの?」
採寸は、オーダーする時に美空がちゃちゃっとしてくれた。それだけ。
デザインもお任せだ。
「ね。出来るらしい。言ってみるもんだね。さすがYUI」
YUI FUJISAKIは誰もが知る、大人気の一流ファッションブランドだ。
フォーマルからカジュアルまで幅広く扱っており、男女それぞれから絶大な人気がある。
俺も普段から良く着ている。
デザイナーは女性で一代でトップブランドへと成長させたらしい。
一切年齢や顔は公表しておらず、謎のベールに包まれている。
こないだのショーも、デザイナーは出てこなかった。
「美空のは?」
「私のは明日! ドレス受け取ってそのまま会場に向かうから、向こうで合流しよう!」
「おっけ。楽しみにしとく」
そうして、結局俺は我慢できずにちょっかいをかけてまた愛し合った。