俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
おいおい。
よくTODOのパーティにそんなメイクで来れたな。
ましてやこの女が見合いの相手?
これ、じーさん絶対知らなかったろ。
たぶん家柄がなんとかって言ってたから、それしか確認しなかったんだろうな。
こりゃ、俺がどうこうしなくてもじーさんが断るはずだ。
「あー。聞いてません? お断りしたはずですが」
俺は無理矢理笑顔をつくって、なるべく穏やかに答えた。
「あら? そんなはずないわ。セッティングももう整ってますでしょ? 恥ずかしがらないでいいのよ?」
恥ずかしがってねぇわ。
とんだ勘違い女だなこりゃ。
その時、会場がまたザワザワとしだす。
「あの人めちゃくちゃ綺麗! モデルさんかな?」
と近くから聞こえてきて、目線の先をたどれば俺の愛しい人。
美空だ。