俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
「美空。こちらは…」

すると俺が答える前に大園清華が口を挟んだ。

「私は、大地さんのお見合い相手の大園清華よ」

そう言って、何を思ったのか俺の腕に手を回してこようとした。

俺は寸前でなんとかスルっとかわして、美空の隣りへ滑り込むように並ぶと腰を自分に引き寄せた。

「大園さん。何か手違いがあったようですね。私には付き合ってる大事な彼女がおりますので。改めて、見合いの話はお断りいたします」

大園清華は拳を握りしめてワナワナと震えている。

「お爺様がお許しになるかしら?」

そんな事を言っている。

君こそちゃんと鏡を見るべきだ。
つい口から本音が出そうになったが、なんとか耐える。

「大地」

するとじーさんが俺たちの後ろから現れた。

「じーさん。紹介する。彼女の神楽美空だ」

すると美空は綺麗に微笑んだ。

「初めまして。私、大地さんとお付き合いさせて頂いております、神楽美空と申します。本日は創立記念おめでとうございます。このような素敵なパーティに参加できた事、誠に光栄に思います」

そう言って、じーさんにまた微笑むと綺麗な所作で頭を下げた。
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