俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
じーさんは珍しいものを見たかのように、驚いた顔をしている。

「あ、ああ。ありがとう。大地の祖父の賢一郎だ。楽しんで行くといい。大地、ちょっとこちらへ」

そう言って、俺を少し離れた所に連れ出した。
そして、俺の肩に手を回してヒソヒソと話し出した。

「おい。どうなってる。あれ、本当にお前の彼女か? 神楽ってまさか神楽コーポレーションのご令嬢じゃないよな⁈ なんで隠してた!」

「いやいや、じーさん。俺言っただろ。彼女いるって」

「んな信じられるか。さんざんそこらへんの女と遊んでおいて」

「ちょ! やめろよ! いつの話だよ」

「んで? あのピンクい下品な女は誰だ?」

やっぱり知らなかったんだな。

「あれ、大園清華」

「なんだと?」

じーさんが、そっと大園清華へと振り返る。

「じーさん。あとはなんとかしてくれよ?」

「だな…ありゃ俺も勘弁だ」

ほらな。それこそ大園百貨店には申し訳ないが、恥かくわ。

「頼んだぞ?」

「ああ。お前の彼女の事、後で詳しく教えなさい」

さっそく美空の事、気に入っちゃってんじゃねーかよ。
まったく。
だから最初から、変な事しなきゃ良かったんだ。
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