俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい


「こちらこそよろしくお願いします。ふふふ! みなさんモデルさんかと思いました」

「やだ! 聖奈、鼻血でてる!」

姉貴が叫ぶ。
ついに妹が鼻血を出した。
やめてくれ。
妹よ。わかるけど、鼻血出すほど綺麗なのはわかるけど、今はやめろ。

兄貴が、慣れた手つきで妹の鼻を押さえる。

「ははは。妹が失礼しまして。ごめんなさいね?」

さすがに姉貴も申し訳なさそうに謝っている。

「だ、大丈夫? これ使って?」

美空が妹の顔を覗き込み、ハンカチを差し出す。

「み、み、美空たん」

妹は、鼻を兄貴につままれたまま思いっきり噛んだ。
そして、大丈夫とオッケーのジェスチャーをして見せた。

「美空、大丈夫だ。それじゃ、もう行くわ。またゆっくりな。聖奈、早く止めろそれ」

そう言い残して、俺たちも会場を後にしたのだった。
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