俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
そして見つめ合う。
重なる視線。
揺れる瞳。

愛しい。

美空しかいらない。
ほかの女じゃ、こんな気持ちを知る事はなかっただろう。
俺を俺として見てくれる。
しっかりと自分を持っていて、誰よりも努力家だ。
そして美空は、心が綺麗だ。
だから、どんな姿でいたって結局は変わらないし、飾らない姿を見れるのも俺だけの特権だと思ってる。

そんな美空だから、愛しいと感じるし、とことん甘やかしてやりたくなる。

美空の頬に手を添えて引き寄せキスをする。
最初はついばむように軽いキス。
次第にお互いどちらからともなく深まっていく。

愛してる。
そう気持ちを込めてキスをする。

キスをしながら美空の髪をほどけば、ふんわりとオレンジ色のストレートヘアからシャンプーのいい香りがほんのりと鼻をかすめた。

さっきのどぎつい香水女とは大違いだ。

そもそも美空は、香水なんて付けなくても良い匂いがする。
自然な甘い香り。
俺を無意識に誘惑する、かぐわしい香りだ。
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