俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
「ど、どうしたの柚(ゆず)ちゃん!」

「いや、美空さんなかなか戻って来ないから何かあったのかなって…」

「あー、いや…これはその…」

ピンチ!

「あー、悪いんだけど俺、一目惚れしちゃったからこの子連れて抜けるね! それじゃ!」

すると大地は何を思ったのか、訳の分からない理由を付けて私を連れ出した。

そして、振り返って柚ちゃんを見れば、なぜだか嬉しそうに頑張れー! とジェスチャーされた。

絶対勘違いしてるよ!
その間もグイグイ肩を組んだまま歩く大地。

「大地! あんたなに言っちゃってんのよ!」

「いや、ああでも言わねぇと誤魔化せなかったろ」

「だからってねぇ!」

「なんだよ。まず、腹減った。お前飯付き合えよ」

「やだよ! 私戻る!」

そして、クルッと向きを変えて戻ろうとすると腕を掴まれたのだった。
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