俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
そして、手品みたいに手から四角い箱が出てきたと思えば私に向かってパカっと蓋を開けた。

「美空。結婚しよう」

まさかの出来事に驚いて固まる私。
これはもしかして、夢か?
パチパチと瞬きを繰り返す。

「おい。起きろ。夢じゃねぇ」

夢…じゃない…
私はやっと理解して、ガバっと起き上がる。
もちろん素っ裸だ。

そして、差し出された指輪をジッと見る。
陽の光を浴びて、反射してキラキラと輝きを放つダイヤモンド。

綺麗…
思わず見惚れてしまう。

「美空」

大地の声でハッとする。

「えーーー⁈」

「うるせぇな。叫ぶなよ朝から」

大地は箱から指輪を抜き取り、私の左手をそっと掴むと薬指にスッと指輪をはめた。
そして、そのまま自分の口元まで持っていくと私を見ながら指輪にチュっとひとつキスをした。

「愛してる。美空。俺と、結婚してください」
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