俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
そして、店から近い高層マンションにちょうど空きがあったので引っ越す事にしたのだ。

そこで、まさか学生の頃ずっと俺にライバル心剥き出しだった美空と隣り同士になった。

あんだけ散々、学生時代に切磋琢磨した同志として気にはなっていたが連絡する事も、会うこともなかった。
でも、いつも頭の片隅にあいつも今頃美容師として頑張っているのだろうと思ってはいた。

美空は、オンオフが激しい。
学生の頃から普段は自分の見た目なんて気にもせず黙々と練習に励んでいた。

だが、ひとたびコンクールなど人前に出る時には別人か? という程変貌をとげる不思議なヤツだ。
悔しいが、普段の憎まれ口を叩くアイツを不覚にもかわいいとさえ思った。

というか、めちゃくちゃかわいい。
すんげー美人。
認める。悔しいが。

そして、俺と同じように美空をかわいいと思っている男どもはわんさか学校にいた。
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