俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
そして、目が覚めれば俺はなんと美空を抱きしめて寝ていた。

見下ろせば、俺に寄り添うように顔を向けている。
長いまつ毛。
寝顔は無防備で少し幼くも見えた。

かわいいな。

なんて思った矢先、しっかりと反応までしている俺。
慌てて離れて気づかれないようにうつ伏せになった。

これはまずい。
惚れた? いや、そんなはずはない。

するとモゾモゾっと美空が動き出す。
ヤベ。起きたか。
慌てて寝たふりを決め込んだ。

なにやってんだよ。
らしくない行動に自分でも戸惑っていた。

そんな俺に相変わらずな態度の美空。
いろいろ誤魔化すようにさっさと寝室から追い出した。

俺だけがこんなふうになっていて悔しい。
これは気のせいだと言い聞かせまた眠りについた。

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