俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
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お昼頃、部屋のインターフォンの音で目が覚めた。
え。なに? だれ?
何かネットで買ったっけ?
あ、こないだ注文した新しい美顔ローラーか?
もう? はやくない?
ソファで寝落ちした私はモゾモゾと起き上がり、とりあえずいつの間にか床に転がってしまったメガネをとって装着する。
寝ぼけていたせいでモニターもろくに確認しないまま玄関ドアを開けた。
「はぁーい。どちら様です……か」
ドアノブに手をかけたまま眩しそうに片目をつぶって顔を上げれば、なんとそこには美容学校以来会っていなかった同級生の藤堂大地が紙袋を持って立っていた。
「は?」
大地が私を見るなり口をあんぐり開けて見下ろしている。
「いや、こっちが、は? だし。
てか、はぁーーー? あんた宅配便してんの?」
「おまっ!声でけーって! 宅配便じゃねーわ」
思わず、この状況にやっと追いついた私は大声をあげてしまう。
考えてみれば、宅配便の人だってエントランスで一度ロックを解除しないと部屋の前のインターホンは押せないはず。
寝ぼけてて、うっかりしていた。