俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
「なんでいらないんだ? お前、黙ってればモテるだろ」

ギロっと睨まれた。

「一言多い」

「すまん」

もうケンカしたくない俺はすぐ謝った。

「いやさ、わかってんのよ。素の私がヤバい事くらい」

「ジャージに瓶底?」

「そう。だからいちおう彼氏の前とかでは外のままっていうか、乙女らしく? 性格もさ」

「外使用でありのままの自分は隠してたって事?」

「まぁ、そうなるね。いやさ昔さ、まんまの姿見せたらさ見事にドン引きされて振られちゃって」

「はぁ? なんだそれ」

「だからそれからはなるべく出さないようにしてたんだけどさ」

「それ、お前的にキツくない?」

「だから。キツかった。疲れる。みんなさ、私の外側ばっか見てたんだろうね」

美空は少し寂しそうな顔を見せた。
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