俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
「みんなそれが原因で?」
「まぁ…ははは。どうだろね。だから、どうせ付き合っても素顔を見せれないし、そんなんなら最初から彼氏なんていない方がよっぽど楽でしょ? て事で、男はいらないの私」
「もったいねぇな。俺からしてみれば表向きのクールビューティーだっけ? そっちの方が見慣れなくて笑いそうになるけどな」
またギロっと睨まれた。
「まぁあれだ。俺の前では楽にしてろ。どっちもお前なんだし、むしろいろんな顔があって面白いわ」
「おもしろがんないでよ」
「ははは! どっちもかわいいかわいい」
そう言って、グイグイっと頭を撫でてやれば少し驚いた顔をして、そのあとすぐビールを一気に飲み干した。
相変わらずいい飲みっぷりだ。
俺、あの時かなりキツい事言っちまったんだな。
そりゃ引っ叩かれて当然だわ。