俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
大地が手を伸ばしてキーを操作すると、近くにあったブラックのドイツ製の大型SUVのライトがピカピカと光った。
「え? これ?」
「ああ」
そして、助手席を開けると大地のくせに乗るのを手伝ってくれた。
「あ、ありがとう」
この車、純平くんのと同じだ。
ちなみに大河のとも。
純平くんとは、私のパパの兄。
そんでもって、大河とは私の兄だ。
なんでこうも私の周りは同じ車がたくさんあるのか。
クスッと笑った。
「どした?」
サングラスをかけて私を見る。
カッコイイやん。
「いや、この車私の叔父と兄も同じのだったから」
「なにお前。兄貴いたの?」
「知らなかったの?」
「え? 俺に話した事あった?」
「あはは! ないかも。こういう話した事なかったもんね。大地は? 兄弟いる?」
「いる。うるせーのが」
「あはは! うるさいの?」
「かなりな。三つ上に兄貴。一つ上に姉貴。二つ下に妹」
「四人兄妹⁈ そりゃ賑やかだね」