俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
それからソファーに並んで座る。
大地は帰る気はないらしい。
結局ふたりで選んだアクション映画を見ることにした。

あ。美顔ローラーしよ。

「ちょっとごめんなさいねー」

大地の上をズカズカ四つん這いになって、ソファーの奥の棚からガサゴソ美顔ローラーを取る。

「おい。ケツ、顔の前」

「はいはい。かわいいお尻ちゃんでしょ。食べてもいいよ」

グイグイ顔の前に押し付けてやる。

「ばかかお前は! やめろ! 邪魔だ。画面見えねぇだろ。早く取れよ。どけっつーの」

そう言って、ペーンとお尻を叩かれた。

「痛いってば! あったあった!」

またモゾモゾとバックで元の位置に戻る。

「ったくよ。歩いて移動しろよ」

「いーじゃん別にー」

美顔ローラーを転がしながら映画を見る。

しばらくして大地が話し出した。
< 71 / 268 >

この作品をシェア

pagetop