俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい

まさかこんな形で大地と再会するなんて。
学生時代は、とにかく技術を学ぶ事に全力を注ぎ込み自分の身だしなみなんて二の次だった私。
どうせユニフォームを上から着るしといつも適当なティシャツに適当なパンツを合わせてすっぴんに見慣れた瓶底メガネ。

もちろんコンクールなどがあればきちんとした格好にバッチリメイクを施してそれはそれは周囲に驚かれたものだ。

先生にもライバルの大地にも気づかれないくらいに。

私だと気づいた時の反応は思い出すだけで今でも笑える。

大地は認めたくないが誰もが振り返るようなめちゃくちゃイケメンだ。

百八十七センチというモデル並みのスタイルで、長い手足。自然に整えられたストレートの眉。
シャープな輪郭の顔に見事な配置でパーツが並ぶ。
二重は並行で綺麗な目をしていて鼻は高く筋が通っている。

八年ぶりに再会した大地は相変わらずイケメンで、大人の貫禄が増してより魅力的な男性になっていた。
ヘアスタイルはサイドの髪は短くトップはパーマがかかっている今流行りのスペインカール。

今もどこかのサロンで美容師をしているんだろうか。

まぁ、どうでもいいけど。

どれどれ。
リビングに戻った私は大地に渡された紙袋を開けた。


蕎麦ね。
今日のご飯はさっそく蕎麦にしましょうかね。


そして床で寝たせいで身体がギシギシ悲鳴をあげているのもあって、モゾモゾとベッドに潜り込んだのだった。







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