俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
そんな俺を、美空は明るく励ます。
かわいいやつだよお前は。
美空は変わらず彼氏はいらないと言う。
前に聞いた過去の話を思い出して沸々と沸き立つ黒い感情。
前の彼女の時にはなかった感情だ。
ケロっとして見えるが、恐らく深く傷ついている。
大丈夫だ美空。
俺がお前を癒してやる。
甘やかしてやる。
お前がどんな格好しようが関係ない。
瓶底メガネをかけてようが、塩辛とスルメをつまみにビールを飲んでいようが、かわいくて仕方ない。
ゆっくり落としてやる。
覚悟しとけ。
俺はお前の全てが欲しい。
愛しい。こんな感情は初めてだ。
そして、落とすと言ったのに全く通じてない。
はは。先は長そうだな。
まさかいつもちょっかいばかりかけていた俺が好いているなんて想像もしてないんだろう。
それでもいい。
俺の気持ちは変わらないから。
愛しい美空を見て自然と笑みがこぼれた。