俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
それでもクルクルする指。
ダメだこりゃ。もういーや。諦めた。
勝手にしろ。
私もクルクル弄んでやろうか?
ってもう、クルクルパーマなんだったこの男は。
「そのパーマって誰にしてもらったの? アシスタントの練習とか?」
「いや? セルフ」
え? セルフでパーマ? 器用すぎない?
「すご。今度私がしてあげようか? セルフとかキツくない?」
「はは! 確かにこれキツかったわ。後ろなんてノールックだからな。んじゃ頼むわ」
「あ、でも店に大地きたらみんな大騒ぎするかも」
「なんで? 向かいの店のスタイリストだから?」
「いや、それもあるけど…」
「他になにあんだよ」
「みんなイケメンだって騒いでる」
「おお。そりゃ光栄だ」
「なによデレデレしちゃって」
なんかモヤモヤと胸の中でなにかが燻っている。
「閉店後ならいいだろ。そろそろちょうどかけ直したかったし」
閉店後ならいいか。
「そだね。んじゃ今度してあげるね。またスペインカール? カットはした方が良さそう」