俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
私は大地の方に体を向けてあぐらをかくと、髪をモシャモシャと触りながら髪の状態を確認する。
もう映画なんてそっちのけだ。
「んー。任せるわ。でも結構今の気に入ってんだよな。どう?」
「うん。似合ってる。んじゃカール巻き直してカットでフォルム整えよ!」
「ああ。それで頼むわ。お前のもしてやろうか? 毛先、そろそろじゃね?」
「だよねー。どうしても痛むよねー。んじゃせっかくだしお願いしちゃおっかな!」
「てか、今日定休日だから店でやれるくね?」
「確かに! しちゃう? まだ二時半だし、今からなら夜ご飯の時間には終わるよね!」
「おし! やんぞ!」
「あ。メイク落としちゃった」
「別にいいだろ。誰もいねぇんだし。コンタクトだけ付けて着替えてこい」
「わかった!」
はは! なんか学生の頃みたいでワクワクする!
昔はよく、お互いに練習台になっていろいろ試した。
何回、髪を犠牲にしたことか。
ははは。お互いね。
大失敗して、大地を坊主にした事もあったな。
坊主でグリーンのカラーにした時は、マリモみたいでめちゃくちゃ笑った記憶がある。