俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
ーーーーー

「お疲れ様でした」

ラストのお客様を見送った私は、アシスタントと片付けをして、予約を確認してからサロンを出た。

するとBから大地もちょうど出てきたところだったようでまたもやバチっと目が合った。

ったく、なんなのよもう。
なんと大地は隣に引っ越してきたかと思えば、向かい側のサロンに転職してきていた。

それからというもの、よくこうして鉢合わせることが多くなった。


無視して帰路につく。
サロンから少し離れた頃後ろから声がかけられる。

「美空」

大地だ。私は振りかえらずそのまま返事をする。

「なに。ついてこないでよ」


「はは。それは無理だわ。家隣なんだから」


そう言ってスタスタと私の隣に当たり前のように並んで歩き出した。


マンションまでは歩いて行ける距離だ。
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