俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい


「どうよ」

「クリンクリンよ。バッチリ。よくセルフでやったよ本当に」

「だよな。俺もそう思う」

シャンプーをする。
あ、この感じ。大地の頭、私も忘れてなかったらしい。
しっくりくるわー。

「気持ちいい」

「ふふ。上達した?」

「ああ。お前、シャンプー苦手だったよな。かなり練習したんだな。過去一うまい」

「えー? 本当? うれしー良かった」

「さんきゅ。んじゃお前のシャンプーとカラーすんぞ」

そう言って、ブリーチを一度確認して大丈夫だったようでシャンプーをしてもらう。

そして、また手早くすんごい色のオレンジのカラー剤をつけられた。
なんかすごい事になりそう。
楽しみ。

その間に、今度は大地のカットだ。
サイドをバリカンで刈り上げ、トップも整えて行く。


「カッコよ!」

思わず叫んでしまった。

「おお。いーな。前よりずっといいわ。やっぱお前うまいわ」

「だよね⁈ これめっちゃ大成功なやつよね⁈ さすがわたし」

「はは! 自分で褒めすぎ褒めすぎ」

「こりゃ、カッコいーわ。後ろとか見てみ⁈」

合せ鏡で見せる。

「こりゃ、またモテちまうな」

だから。それ思った。
なんか複雑…?

またモヤモヤ…

どうしちゃったんだろう。
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