俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい


「あはは…この人は気にしないでー」

そう言って、大地に何も言うなと目で合図した。

すると大地は、アシスタントの子たちに向かってジェスチャーで口に人差し指を当ててシーっとして、パチっとウィンクをして私の後ろをついて来た。

なにそれ。
カッコよ。

そして、大地の車に乗り込んだ。

「っはー! おもろ。あれが店でのお前?」

「いいでしょ? クールでしょ?」

「ククククッ! クールか? まぁ、トップって感じではあったな」

「感じじゃなくて、トップなの! にしてもビックリしたー。しかもなにあれ。あんたカッコつけすぎ! 今ごろあの子たち大騒ぎしちゃってるよ絶対」

「そうか? でもあれで黙っててくれるだろ」

「大地、あんたねぇ」

「はは! んでどうする? すんげー早く終わったけど」

時計を見ればまだ二時間もたっていなかった。

「ホントだ! せっかくメイクもしてもらったし、なんかすぐ帰るのもったいなーい」

「クククッ。かわいい事言うよな。服でも見に行く?」

かわいいと言われたことはこの際スルーしておこう。

「行く行くー!YUI FUJISAKI行きたい!」

「ん」
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