乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~
2-1
『来週、宮子の誕生日でしょ?新婚旅行に行くんだったわよねー、遊佐クン張り切ってる?』
普段はメッセージアプリでやり取りする紗江からかかってきた、上機嫌な電話。
二十六回目の誕生日、六月十二日はすぐそこ。旅行は無期延期になった・・・って腹をくくって打ち明ける時がきた。誕生会も、榊の退院祝いと合同でするのを決めた。予定は未定。
深呼吸するとスマホをしっかり握り直した。
「あのね紗江、ゴメン、驚かないで聞いてね」
前置きで察したのか、間があってから『なにかあったの?』と冷ややかに返る。さすがあたしの親友、びくともしない。
「結婚式のあとで襲撃されて、あたしをかばって榊が撃たれたの」
思い切って。言葉にすると短いなって片隅で思った。
『え?・・・は?撃たれた、・・・って、ちょっと待って、待ってよ・・・!かばって、って宮子がな、んで・・・?!』
一転して伝わってきた激しい動揺と混乱に、落ち着いて畳みかける。
「あたしは大丈夫、どこも怪我してないから。榊はずっと意識が戻らなくて、でもこないだ目を覚ましたの。傷がふさがるまでしばらく入院だけど心配ないから、頭は元気だから」
『元気、・・・なのね?宮子も榊クンも』
「ん。このまま大人しくしてれば来月には退院できそうだよ。だからね、新婚旅行と誕生日は延ばしたんだ」
普段はメッセージアプリでやり取りする紗江からかかってきた、上機嫌な電話。
二十六回目の誕生日、六月十二日はすぐそこ。旅行は無期延期になった・・・って腹をくくって打ち明ける時がきた。誕生会も、榊の退院祝いと合同でするのを決めた。予定は未定。
深呼吸するとスマホをしっかり握り直した。
「あのね紗江、ゴメン、驚かないで聞いてね」
前置きで察したのか、間があってから『なにかあったの?』と冷ややかに返る。さすがあたしの親友、びくともしない。
「結婚式のあとで襲撃されて、あたしをかばって榊が撃たれたの」
思い切って。言葉にすると短いなって片隅で思った。
『え?・・・は?撃たれた、・・・って、ちょっと待って、待ってよ・・・!かばって、って宮子がな、んで・・・?!』
一転して伝わってきた激しい動揺と混乱に、落ち着いて畳みかける。
「あたしは大丈夫、どこも怪我してないから。榊はずっと意識が戻らなくて、でもこないだ目を覚ましたの。傷がふさがるまでしばらく入院だけど心配ないから、頭は元気だから」
『元気、・・・なのね?宮子も榊クンも』
「ん。このまま大人しくしてれば来月には退院できそうだよ。だからね、新婚旅行と誕生日は延ばしたんだ」