乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~
2-2
「お帰りなさぁいトシヤ君!」
「・・・あざっす」
ユキちゃんの音頭でみんながグラスをかかげる。ちょっと居心地悪そうに頭を下げた榊の短い挨拶で始まった快気祝い。
今夜の亞莉栖は貸し切りで、それはもう贅沢な顔ぶれがそろってた。とくに相澤さんとか相澤さんとか、相澤さんとか。
カウンター席に主役の当人、あたし、真、仁兄、甲斐さん。ユキちゃんを手伝ってるのは、料理もなんでもこなすスゴ腕職人な藤さん。まさかの兄弟コラボにニヤけたの、あたしだけ?
後ろのテーブル席では哲っちゃん、二の組のシノブさん、三の組の相澤さんが談笑してて。よだれが出そうなイケメンスリーショットを永久保存しときたかったけど、そこはぐっと我慢した。万が一なんかの拍子に流出したら大惨事だもん。
「そう言えば予定より早く退院したって聞いたけど、無茶はダメよ?」
カウンターの向こうからユキちゃんが榊に向かってニッコリ。
そーなのよこの男。月末に決まってた退院許可日を、六日も前倒ししたんだから!
「もっとお説教してやって、ユキちゃんっ。病院じゃなくてもリハビリできるとか言って、さすがに心配だから実家の空き部屋に寝泊りさせてんの」
左隣りをじっとり睨み上げると、うんざり気味な横目で返された。
「・・・あざっす」
ユキちゃんの音頭でみんながグラスをかかげる。ちょっと居心地悪そうに頭を下げた榊の短い挨拶で始まった快気祝い。
今夜の亞莉栖は貸し切りで、それはもう贅沢な顔ぶれがそろってた。とくに相澤さんとか相澤さんとか、相澤さんとか。
カウンター席に主役の当人、あたし、真、仁兄、甲斐さん。ユキちゃんを手伝ってるのは、料理もなんでもこなすスゴ腕職人な藤さん。まさかの兄弟コラボにニヤけたの、あたしだけ?
後ろのテーブル席では哲っちゃん、二の組のシノブさん、三の組の相澤さんが談笑してて。よだれが出そうなイケメンスリーショットを永久保存しときたかったけど、そこはぐっと我慢した。万が一なんかの拍子に流出したら大惨事だもん。
「そう言えば予定より早く退院したって聞いたけど、無茶はダメよ?」
カウンターの向こうからユキちゃんが榊に向かってニッコリ。
そーなのよこの男。月末に決まってた退院許可日を、六日も前倒ししたんだから!
「もっとお説教してやって、ユキちゃんっ。病院じゃなくてもリハビリできるとか言って、さすがに心配だから実家の空き部屋に寝泊りさせてんの」
左隣りをじっとり睨み上げると、うんざり気味な横目で返された。