乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~
横を振り仰ぐ。卑屈には聞こえなかった。そう聞こえたら絶対に赦さなかった。幕を張ったみたいに不透明な黒い眼を下から見据えた。
「どういう意味?」
「穴がふさがっても元の体には戻らねぇらしいからな、心配するだけ無駄だろが。テメェのことはテメェでどうにかする」
淡々と。迷いも躊躇もない顔で。
「いつまで俺にかまけてんじゃねぇよ。跡目の仕事じゃねぇぞ」
ムダってなによ、仕事ってなによ。
「かまけて当然でしょ、あんたはあたしの」
「ただの弾よけだ。・・・このさき真の足の代わりもできねぇなら、俺はもうお前らと」
その先を聞きたくなかった。突き上げたのは怒りだった。口から吐き出すより前に腕を振り抜いて、榊の横っ面を力いっぱい引っ叩いてた。
「・・・あやまんないからねッッ・・・っ」
あっという間に視界が滲んでぼやけた。『悲しい』『口惜しい』が涙になって一気にあふれた。
「できるとかできないとか関係ない!!できなくたって榊は榊だよ・・・!!」
全力で吠える。細胞が軋んで千切れそうに。
「あたしをなんだと思ってんのっ?!!そんなことで親友やめるとでも思ってんの?!見くびらないでよッッ」
子供のケンカみたいな言葉で感情まかせに殴りつけ、脇目もふらず駆け出した。
ひりついた掌が痛かった。
心臓が裂けそうで痛かった。
「どういう意味?」
「穴がふさがっても元の体には戻らねぇらしいからな、心配するだけ無駄だろが。テメェのことはテメェでどうにかする」
淡々と。迷いも躊躇もない顔で。
「いつまで俺にかまけてんじゃねぇよ。跡目の仕事じゃねぇぞ」
ムダってなによ、仕事ってなによ。
「かまけて当然でしょ、あんたはあたしの」
「ただの弾よけだ。・・・このさき真の足の代わりもできねぇなら、俺はもうお前らと」
その先を聞きたくなかった。突き上げたのは怒りだった。口から吐き出すより前に腕を振り抜いて、榊の横っ面を力いっぱい引っ叩いてた。
「・・・あやまんないからねッッ・・・っ」
あっという間に視界が滲んでぼやけた。『悲しい』『口惜しい』が涙になって一気にあふれた。
「できるとかできないとか関係ない!!できなくたって榊は榊だよ・・・!!」
全力で吠える。細胞が軋んで千切れそうに。
「あたしをなんだと思ってんのっ?!!そんなことで親友やめるとでも思ってんの?!見くびらないでよッッ」
子供のケンカみたいな言葉で感情まかせに殴りつけ、脇目もふらず駆け出した。
ひりついた掌が痛かった。
心臓が裂けそうで痛かった。