【移行予定】擬似的なシンメトリー
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翌日。わたしは、友達らしき人たちと道端にたむろしている涼くんの前に立っているが、その友達らしき人たちが舐め回すように見てくるのですっごく居心地が悪い。
でも我慢。
「ねぇこの子、涼花のなに?」
「かわいーじゃん。いくつ?」
「俺らの仲間になってみる?」
涼くんを含めた男の人が五人と、女の人が三人。昨日のハーフツインテの女の子もいて、その子と涼くんだけがわたしを睨みつけるように見てくる。
「俺の話聞いてた?」
「うん。だから家には行かないで、こうしてみんながいるところで声をかけたんだよ」
「そういうことじゃねぇ」
涼くんは呆れたように立ち上がると、わたしの肩を抱いて昨日と同じようにいきなりキスをしてきた。
「ふぅ〜涼花やるぅ」
「お、見せつけんね」
「すーか、穢れる!」
わたしは煽り立てるようなみんなの声を耳にしながら昨日よりも早く入ってこようとする舌に抵抗を見せたけど、涼くんはなんのその。指でわたしの口を無理やりこじ開けて、自分のそれを押し込んだ。
周りを置き去りにしたキスの後、涼くんはやっぱりわたしを押し戻した。
「俺は外でもヤれんだよ。わかったら俺の前に現れるな」