鉄仮面CEOの溺愛は待ったなし!~“妻業”始めたはずが、旦那様が甘やかし過剰です~
「それはもちろん、生涯社長をお支えするため……」
口にしてから首を傾げた。社長は微笑む。
「それは、俺となら結婚して構わないということだろう?」
「そう……なのです、か、ね……」
頭がうまく回転していない。え、あれ、そうなの?
「それに、妻となる人には俺の職務内容を全てとまでは言わないが、おおむね把握しておいてほしい。外見にこだわりはないが、そうだな……趣味が家庭菜園と寺社めぐりの女性がいい」
「それは……またニッチな……」
私は言いよどむ。
家庭菜園と寺社めぐりがニッチなのではなく、その趣味を持っている女性に限定する社長のこだわりはさすがにニッチと言っていいだろう。
そのふたつは、社長の趣味とは違う。そうなると、条件がかなり絞られてしまう。
「社長、なぜアウトドアがお好きなはずの社長がそんな趣味の女性を求めてらっしゃるのか伺っても?」
「最近、そのあたりに興味が出てきてな。どうせなら一緒に楽しめる人がいい」
「なるほど」
まだ腑に落ちない部分もあるけれど、そういうことなのか、と思う気持ちもあった。
たまたま私もそのふたつが趣味なのだ。
よく所帯じみてるとか言われるけど、いいじゃない、心が落ち着くんだもの……。
となると、私を選んでいただけた納得がいく。
どうせ仕事中、ほとんど私といる状況なのだ。結婚してプライベートの管理も任せたく思うのは信頼の証なのかもしれない。
じわりと心があったかくなっていく。
そんなに、プライベートさえも任せてよいと思うほど、私のことを信頼してくださっているのか……!
感激で胸が打ち震えた。
それほどの信頼を傾けていただいて、それに背くことができようか。
誉れ。誉れだ。この森下心春、二十六年の生涯最高の誉れ!
私は胸を張り、きゅっと彼の手を握り返す。
「お任せください、社長。不肖森下、必ずや生涯にわたって社長をお支えすると誓います」
「……俺としては、甘えてもらいたいのだが」
「ふふ、CEOジョークですね。素敵です」
本城社長は肩をすくめ、それから目を細めて……そして、信じられないことに、私の手の甲を指で撫でた。とっても優しく、ゆっくりと。
「ひゃあっ」
びくっと手を引こうとする私の手を、社長は逆に強く握り口角を上げた。
口にしてから首を傾げた。社長は微笑む。
「それは、俺となら結婚して構わないということだろう?」
「そう……なのです、か、ね……」
頭がうまく回転していない。え、あれ、そうなの?
「それに、妻となる人には俺の職務内容を全てとまでは言わないが、おおむね把握しておいてほしい。外見にこだわりはないが、そうだな……趣味が家庭菜園と寺社めぐりの女性がいい」
「それは……またニッチな……」
私は言いよどむ。
家庭菜園と寺社めぐりがニッチなのではなく、その趣味を持っている女性に限定する社長のこだわりはさすがにニッチと言っていいだろう。
そのふたつは、社長の趣味とは違う。そうなると、条件がかなり絞られてしまう。
「社長、なぜアウトドアがお好きなはずの社長がそんな趣味の女性を求めてらっしゃるのか伺っても?」
「最近、そのあたりに興味が出てきてな。どうせなら一緒に楽しめる人がいい」
「なるほど」
まだ腑に落ちない部分もあるけれど、そういうことなのか、と思う気持ちもあった。
たまたま私もそのふたつが趣味なのだ。
よく所帯じみてるとか言われるけど、いいじゃない、心が落ち着くんだもの……。
となると、私を選んでいただけた納得がいく。
どうせ仕事中、ほとんど私といる状況なのだ。結婚してプライベートの管理も任せたく思うのは信頼の証なのかもしれない。
じわりと心があったかくなっていく。
そんなに、プライベートさえも任せてよいと思うほど、私のことを信頼してくださっているのか……!
感激で胸が打ち震えた。
それほどの信頼を傾けていただいて、それに背くことができようか。
誉れ。誉れだ。この森下心春、二十六年の生涯最高の誉れ!
私は胸を張り、きゅっと彼の手を握り返す。
「お任せください、社長。不肖森下、必ずや生涯にわたって社長をお支えすると誓います」
「……俺としては、甘えてもらいたいのだが」
「ふふ、CEOジョークですね。素敵です」
本城社長は肩をすくめ、それから目を細めて……そして、信じられないことに、私の手の甲を指で撫でた。とっても優しく、ゆっくりと。
「ひゃあっ」
びくっと手を引こうとする私の手を、社長は逆に強く握り口角を上げた。