鉄仮面CEOの溺愛は待ったなし!~“妻業”始めたはずが、旦那様が甘やかし過剰です~
「わかっているんだがな」
なんだか寂しそうな顔をされて、私は慌てて拳を握った。
「れ、玲司さん。かしこまりまし……じゃない、わかりました」
敬語は取れそうにないけれど、崩すくらいは頑張ってみよう。玲司さんは私を見て頬を綻ばせる。
「ああ。嬉しいよ。ありがとう」
「そ、そんな。お礼をいわれるようなことでは……」
「言われるようなことだ。少なくとも俺にとっては、君との距離が縮むというのはこの上ない僥倖なんだよ」
真剣に言われて目を瞬く。
いま、幻聴が聞こえただろうか。楽しみすぎて、昨日眠れなかったから……と、玲司さんが私の手を取った。頭がフリーズしている間に、するりと繋がれた。
「繋いでいていいだろうか」
甘い視線に促され、こくこくと頷く。そのまま本殿まで連れていかれ、私はなんとお願いすればいいのか迷って、結局いつも通りのお願いをした。社長が、玲司さんがとこしえに健康で幸せでいてくれますように。
「……一生懸命だったが、なにを願っていたか聞いてもいいか?」
再び手を繋がれ、境内をのんびり歩きながら玲司さんに聞かれる。
「もちろん玲司さんの健康と幸福です」
間髪入れずに答えて胸を張ると、ふはっと玲司さんは噴出した。
「京都まで来てそんなことを祈ってくれたのか」
「そんなこと、だなんて! 私にとって最優先事項です」
そのためにサポートしたいのだ。無理をしてほしくない。
「そうか。光栄だ」
玲司さんは微笑み肩をすくめ、繋いだ手の力を強くする。
「玲司さんもなにかお願いをされ……したのですか?」
できるだけフランクな敬語を心掛けつつ聞くと、玲司さんはさらりと爽やかに、まるで当然のように答えた。
「君を幸せにしたいと、そう願ったよ」
「わ」
私はぶわりと顔が熱くなるのを覚える。きっと真っ赤だ……!
「わたくしめのためにっ? 玲司さんが御自ら、お願いをっ?」
二礼二拍手一礼してまで、わたくしのことを考えてくださった……?
「大げさだな。婚約者の幸福を願うのは当然だろ?」
私は立ち止まり、じわじわと胸を包む幸福感で胸がいっぱいになる。
「し、幸せです、玲司さん……っ。私、いま人生で一番幸せです」
「はは」
玲司さんは本当に面白そうに肩を揺らし、微かに目線を落としてじっと私を見た。
「ならもっと幸せにしてやる」
なんだか寂しそうな顔をされて、私は慌てて拳を握った。
「れ、玲司さん。かしこまりまし……じゃない、わかりました」
敬語は取れそうにないけれど、崩すくらいは頑張ってみよう。玲司さんは私を見て頬を綻ばせる。
「ああ。嬉しいよ。ありがとう」
「そ、そんな。お礼をいわれるようなことでは……」
「言われるようなことだ。少なくとも俺にとっては、君との距離が縮むというのはこの上ない僥倖なんだよ」
真剣に言われて目を瞬く。
いま、幻聴が聞こえただろうか。楽しみすぎて、昨日眠れなかったから……と、玲司さんが私の手を取った。頭がフリーズしている間に、するりと繋がれた。
「繋いでいていいだろうか」
甘い視線に促され、こくこくと頷く。そのまま本殿まで連れていかれ、私はなんとお願いすればいいのか迷って、結局いつも通りのお願いをした。社長が、玲司さんがとこしえに健康で幸せでいてくれますように。
「……一生懸命だったが、なにを願っていたか聞いてもいいか?」
再び手を繋がれ、境内をのんびり歩きながら玲司さんに聞かれる。
「もちろん玲司さんの健康と幸福です」
間髪入れずに答えて胸を張ると、ふはっと玲司さんは噴出した。
「京都まで来てそんなことを祈ってくれたのか」
「そんなこと、だなんて! 私にとって最優先事項です」
そのためにサポートしたいのだ。無理をしてほしくない。
「そうか。光栄だ」
玲司さんは微笑み肩をすくめ、繋いだ手の力を強くする。
「玲司さんもなにかお願いをされ……したのですか?」
できるだけフランクな敬語を心掛けつつ聞くと、玲司さんはさらりと爽やかに、まるで当然のように答えた。
「君を幸せにしたいと、そう願ったよ」
「わ」
私はぶわりと顔が熱くなるのを覚える。きっと真っ赤だ……!
「わたくしめのためにっ? 玲司さんが御自ら、お願いをっ?」
二礼二拍手一礼してまで、わたくしのことを考えてくださった……?
「大げさだな。婚約者の幸福を願うのは当然だろ?」
私は立ち止まり、じわじわと胸を包む幸福感で胸がいっぱいになる。
「し、幸せです、玲司さん……っ。私、いま人生で一番幸せです」
「はは」
玲司さんは本当に面白そうに肩を揺らし、微かに目線を落としてじっと私を見た。
「ならもっと幸せにしてやる」