鉄仮面CEOの溺愛は待ったなし!~“妻業”始めたはずが、旦那様が甘やかし過剰です~
私は頷く。
玲司さんが「そうする」と決めたのなら、彼は必ず実行する人なのだ。
そんなところも尊敬してやまない。きっと私は死ぬほど幸せにされてしまうのだろう。それが一体、どんなものなのかは予想がつかないけれど。
「惚れたか?」
にやりと笑って、でも最高に爽やかに玲司さんが言う。私は間髪入れずに頷いた。
「もちろん、もとより惚れ込んでおります」
人生を捧げてもよいと、そう思えるほどに。
私の表所をまじまじと玲司さんは見つめ、それから気が抜けたようにふっと笑う。
「まだまだのようだな。もっと頑張るよ」
「れ、玲司さんはすでに世界一頑張ってらっしゃいますが……?」
慌てる私の頭に、すっと彼が顔を寄せる。ふっと体温が近づいて、すぐに離れた。
こめかみに押し付けられた、柔らかな体温。ま、またキス、されています……!
「れ、れれれれ玲司さん」
「ふは、初心すぎないか」
くっくっと楽しそうに玲司さんは笑う。
私はわざとすこし怒った顔をして「からかいましたね」と唇を尖らせる。
私は男性とお付き合い経験がないのだ。免疫が一切ない。
そんな私に、玲司さんはあくまで爽やかに言い放った。
「まさか」
「む、それではなぜ……」
「本気だからだよ」
そう言う玲司さんは最高にかっこよくて、その場で意識を失わなかっただけ偉いと思う。
帰りのグリーン席からは、すっかり暗くなった京都の街が覗けた。
出発するとそれらはあっという間に過ぎ去っていき、トンネルを出ればすぐに夕闇に包まれたのどかな光景へと移り変わる。
私は玲司さんが手配してくれていたかわいらしい手毬寿司のお弁当を開く。ホームまでお店の方が届けに来てくれたのだ。一緒に、タンブラー入りの老舗茶舗の緑茶も入っていた。
「かわいい……!」
お寿司を見て、思わず感嘆してしまう。
まるで宝石箱かのように、丁寧に握られた手毬寿司。食べるのを躊躇してしまうくらい綺麗だ。
「ここの寿司は旨いよ。そのうち食べさせようと思っていたんだが、なかなか機会がなくて」
「そうだったのですね」
おそらくかなり高級であろうお寿司そのものより、食べさせようと思われていた、ということの方が嬉しい。
「嬉しいです」
「そうか。君が嬉しいと俺も幸せだ」
玲司さんが「そうする」と決めたのなら、彼は必ず実行する人なのだ。
そんなところも尊敬してやまない。きっと私は死ぬほど幸せにされてしまうのだろう。それが一体、どんなものなのかは予想がつかないけれど。
「惚れたか?」
にやりと笑って、でも最高に爽やかに玲司さんが言う。私は間髪入れずに頷いた。
「もちろん、もとより惚れ込んでおります」
人生を捧げてもよいと、そう思えるほどに。
私の表所をまじまじと玲司さんは見つめ、それから気が抜けたようにふっと笑う。
「まだまだのようだな。もっと頑張るよ」
「れ、玲司さんはすでに世界一頑張ってらっしゃいますが……?」
慌てる私の頭に、すっと彼が顔を寄せる。ふっと体温が近づいて、すぐに離れた。
こめかみに押し付けられた、柔らかな体温。ま、またキス、されています……!
「れ、れれれれ玲司さん」
「ふは、初心すぎないか」
くっくっと楽しそうに玲司さんは笑う。
私はわざとすこし怒った顔をして「からかいましたね」と唇を尖らせる。
私は男性とお付き合い経験がないのだ。免疫が一切ない。
そんな私に、玲司さんはあくまで爽やかに言い放った。
「まさか」
「む、それではなぜ……」
「本気だからだよ」
そう言う玲司さんは最高にかっこよくて、その場で意識を失わなかっただけ偉いと思う。
帰りのグリーン席からは、すっかり暗くなった京都の街が覗けた。
出発するとそれらはあっという間に過ぎ去っていき、トンネルを出ればすぐに夕闇に包まれたのどかな光景へと移り変わる。
私は玲司さんが手配してくれていたかわいらしい手毬寿司のお弁当を開く。ホームまでお店の方が届けに来てくれたのだ。一緒に、タンブラー入りの老舗茶舗の緑茶も入っていた。
「かわいい……!」
お寿司を見て、思わず感嘆してしまう。
まるで宝石箱かのように、丁寧に握られた手毬寿司。食べるのを躊躇してしまうくらい綺麗だ。
「ここの寿司は旨いよ。そのうち食べさせようと思っていたんだが、なかなか機会がなくて」
「そうだったのですね」
おそらくかなり高級であろうお寿司そのものより、食べさせようと思われていた、ということの方が嬉しい。
「嬉しいです」
「そうか。君が嬉しいと俺も幸せだ」