鉄仮面CEOの溺愛は待ったなし!~“妻業”始めたはずが、旦那様が甘やかし過剰です~
首を傾げて浦田さんを見る。
浦田さんはなんだか残念な生き物を見る目をした。
「あのさ、心春ちゃん。ちょっと聞いていいかな」
「なんでしょうか。お答えできる範囲でなら――社長の職務やプライベートに関しては機密事項も多いので」
「いや、社長じゃなくて心春ちゃんのこと」
「私の?」
「そう」
浦田さんはとっても大事なことのように、少し声を潜めて聞いてきた。
「心春ちゃんは、社長のことどう思っているの?」
「え? ……神の創りたまいし最高傑作……?」
弱冠二十九歳にして世界的半導体メーカーの最高経営責任者兼社長。
そのうえ身長182センチ、日本人とは思えない足の長さ、すっきりと着こなすスリーピースのスーツ越しでもわかるスラリと細身で引き締まった体躯。
そうしてその上、イケメンと一言で言い表すことができないほど優れた、いや優れまくった容貌。
俳優さんですら霞んでしまうに違いない。
そう一息に説明すると、浦田さんは「それはそうなんだけど」と眉を下げた。
「そうじゃなくてえ……」
「はっ。失礼しました。内面的なお話でしたね。米国留学し飛び級で卒業されたお話でしたか。経営学修士も取得され、日英仏の三か国語が堪能。確かに本城社長は一見クールですし怜悧な一面もあります。どころか、冷淡冷血漢とと一部では噂されているのも知っています。しかし実はうちに熱意を秘めた情熱的なお人柄。私はこの事実を多くの人に知っていただきたいと思っているのです」
なにしろ推しなので。
そう締めた私に、浦田さんはじれたように唇を尖らせる。
「そうじゃなくて。好きなの?」
「え? もちろんお慕いしています。この森下心春、生涯社長をお支えする所存です」
「慕う……っていうのは恋愛的なラブなのかな?」
にっこりと微笑む浦田さんに首を振る。
「いいえ?」
「っ、ち、違うの?」
「ラブなんて言葉ではとてもお伝えできません。尊敬、敬愛、敬慕……といったところでしょうか」
「もう一回確認するね。そこに恋愛感情は?」
「あはは! 言うまでもありません」
私が笑うと、浦田さんはすこしホッとした顔をする。
「そ、そうよね。それだけ慕っているんだもの、男性としても……」
「浦田さん。言うまでもない、というのはそんなわけがないという意味です」
「……え」
浦田さんはなんだか残念な生き物を見る目をした。
「あのさ、心春ちゃん。ちょっと聞いていいかな」
「なんでしょうか。お答えできる範囲でなら――社長の職務やプライベートに関しては機密事項も多いので」
「いや、社長じゃなくて心春ちゃんのこと」
「私の?」
「そう」
浦田さんはとっても大事なことのように、少し声を潜めて聞いてきた。
「心春ちゃんは、社長のことどう思っているの?」
「え? ……神の創りたまいし最高傑作……?」
弱冠二十九歳にして世界的半導体メーカーの最高経営責任者兼社長。
そのうえ身長182センチ、日本人とは思えない足の長さ、すっきりと着こなすスリーピースのスーツ越しでもわかるスラリと細身で引き締まった体躯。
そうしてその上、イケメンと一言で言い表すことができないほど優れた、いや優れまくった容貌。
俳優さんですら霞んでしまうに違いない。
そう一息に説明すると、浦田さんは「それはそうなんだけど」と眉を下げた。
「そうじゃなくてえ……」
「はっ。失礼しました。内面的なお話でしたね。米国留学し飛び級で卒業されたお話でしたか。経営学修士も取得され、日英仏の三か国語が堪能。確かに本城社長は一見クールですし怜悧な一面もあります。どころか、冷淡冷血漢とと一部では噂されているのも知っています。しかし実はうちに熱意を秘めた情熱的なお人柄。私はこの事実を多くの人に知っていただきたいと思っているのです」
なにしろ推しなので。
そう締めた私に、浦田さんはじれたように唇を尖らせる。
「そうじゃなくて。好きなの?」
「え? もちろんお慕いしています。この森下心春、生涯社長をお支えする所存です」
「慕う……っていうのは恋愛的なラブなのかな?」
にっこりと微笑む浦田さんに首を振る。
「いいえ?」
「っ、ち、違うの?」
「ラブなんて言葉ではとてもお伝えできません。尊敬、敬愛、敬慕……といったところでしょうか」
「もう一回確認するね。そこに恋愛感情は?」
「あはは! 言うまでもありません」
私が笑うと、浦田さんはすこしホッとした顔をする。
「そ、そうよね。それだけ慕っているんだもの、男性としても……」
「浦田さん。言うまでもない、というのはそんなわけがないという意味です」
「……え」