鉄仮面CEOの溺愛は待ったなし!~“妻業”始めたはずが、旦那様が甘やかし過剰です~
心春は目を瞬く。それから花が咲くように笑い、俺に向かっておそるおそるといったそぶりで遠慮がちに、けれど明確な意思を持って手を伸ばす。
「もとより、私の全ては玲司さんのものです」
心臓が掴まれた気がした。──いや、とっくの昔に掴まれていたのだろう。
俺は心春を抱きしめ、頭に頬擦りをする。愛おしくてたまらない。
そうして顔を上げ、微笑む心春の頬を指の関節で撫でた。くすぐったそうに心春が目を細める。最高に幸せだ。
上半身を起こし、ジャケットを脱ぎ捨てた。ネクタイも外して、適当に投げる。白いシーツの上に、重なるように落ちた。
「あ、服がしわになります」
「そんなこと気にしている場合か」
俺はそう言って、心春の顎を優しく掴んだ。そうして触れるだけのキスを、ようやく最愛の妻の唇に落とす。
結婚式でさえ、頬にした。
大切な初めてのキスを、人前で交わすことに抵抗があった。
唇を離し、真っ白なシーツの上横たわりぽかんと俺を見つめる心春を見つめる。
彼女の黒髪が純白の上美しく乱れている。俺を見つめ返す、黒い宝石のような透明感のある丸い瞳と、そのぬばたまの黒髪。白と黒の世界で、唇が花咲くように紅い。
「綺麗だ」
思わずそう告げて、髪の毛をひと房、手に掬う。キスをしてじっと見つめれば、みるみるうちに頬が真っ赤に染めあがっていった。
「い、いまキス」
慌てる心春の唇に、再び口づけを落とす。心春が息をつめたのがわかった。きゅっと目をつぶる仕草が愛らしい。好きだよ、と心の中で囁いた。
「君が綺麗だから」
「そ、そんなこと」
「ある。綺麗だしかわいらしいし、仕事面では頼りになる。けれど、ひとりの男としては」
ちゅ、とこめかみにキスを落とした。
「男としては――守りたくなる」
え、と心春が口の中で呟く。意味をよく考えてくれたらいいと思う。そうして俺を男として意識してくれ、早く俺に落ちてくれ。そんな願いを秘め、唇にまた触れる。
「もとより、私の全ては玲司さんのものです」
心臓が掴まれた気がした。──いや、とっくの昔に掴まれていたのだろう。
俺は心春を抱きしめ、頭に頬擦りをする。愛おしくてたまらない。
そうして顔を上げ、微笑む心春の頬を指の関節で撫でた。くすぐったそうに心春が目を細める。最高に幸せだ。
上半身を起こし、ジャケットを脱ぎ捨てた。ネクタイも外して、適当に投げる。白いシーツの上に、重なるように落ちた。
「あ、服がしわになります」
「そんなこと気にしている場合か」
俺はそう言って、心春の顎を優しく掴んだ。そうして触れるだけのキスを、ようやく最愛の妻の唇に落とす。
結婚式でさえ、頬にした。
大切な初めてのキスを、人前で交わすことに抵抗があった。
唇を離し、真っ白なシーツの上横たわりぽかんと俺を見つめる心春を見つめる。
彼女の黒髪が純白の上美しく乱れている。俺を見つめ返す、黒い宝石のような透明感のある丸い瞳と、そのぬばたまの黒髪。白と黒の世界で、唇が花咲くように紅い。
「綺麗だ」
思わずそう告げて、髪の毛をひと房、手に掬う。キスをしてじっと見つめれば、みるみるうちに頬が真っ赤に染めあがっていった。
「い、いまキス」
慌てる心春の唇に、再び口づけを落とす。心春が息をつめたのがわかった。きゅっと目をつぶる仕草が愛らしい。好きだよ、と心の中で囁いた。
「君が綺麗だから」
「そ、そんなこと」
「ある。綺麗だしかわいらしいし、仕事面では頼りになる。けれど、ひとりの男としては」
ちゅ、とこめかみにキスを落とした。
「男としては――守りたくなる」
え、と心春が口の中で呟く。意味をよく考えてくれたらいいと思う。そうして俺を男として意識してくれ、早く俺に落ちてくれ。そんな願いを秘め、唇にまた触れる。