鉄仮面CEOの溺愛は待ったなし!~“妻業”始めたはずが、旦那様が甘やかし過剰です~
 さらに撫でると、心春が身をよじり笑う。俺は微笑み、少しずつ撫で方を変えていった。最終的に、わき腹を指先で触れるか触れないかの力で撫でるように。

「ん、あ 、玲司さ……」

 心春から漏れた声は、すっかり甘くなっている。俺は内心ほくそえんで、ゆっくりと臍のあたりまで同じように撫でた。

「ふ、あ」
 くすぐったいと笑っていたのはついさっきなのに、心春の声はすっかりと情欲を滲ませ始めている。かわいらしくて、臍の横にキスを落とした。白いレースのガーターベルトを指で弄ぶと、心春が「玲司さん」と蚊の鳴くような声で俺を呼ぶ。

「は、恥ずかしいです」

 軽く目を伏せた姿はひどく情欲を誘う。羞恥で涙目になっていた。

「かわいい」
「そ、そんな……ことは」

 慌てる心春の頬にキスをして告げる。

「心春。いつか教えてくれないか? 君に自信がない理由」
「え? 自信……なら、ちゃんとあります。入社してから皆様に褒めていただけるし、玲司さんも認めてくださって。感謝しかありません」
「それは仕事面でだろう?」

 髪の毛をさらさらと撫でる。

「君はかわいいのに、それを褒めるとかえって自信をなくしていくように見える」
「そ、んなことは……」

 うろつく視線から、やはりなにか理由があるのだと分かる。
 けれど彼女がそれを口にしたくないと思っていることも。

「言いたくないならいい。いつか、その気になったら教えてくれ」

 心春は目を瞠る。俺は笑ってみせてから、再びわき腹を撫でた。その手をゆっくりと下に向かわせる。
 太ももをひと撫でして、ガーターストッキングから留め具を外した。するすると脱がせれば、心春が迷子の子どものように眉を下げる。

「怖いか?」
「ち、違います……その、どうしたらいいのか」

 返ってきた初心な返答に、俺は燻る欲がさらに昂るのを覚える。

「ん、楽にしていたらいい」
「で、も……その、私、自分で脱ぎましょうか」

 心春が気にしていたのはそれだったらしい。彼女がよく言う『玲司さんの手を煩わせるわけには』だ。

「俺が君を脱がせたくてやっている」
「……え」

 びっくりした顔をする心春に、思わず噴き出した。

「君は本当に、見ていて飽きない」

 飽きないどころか、どんどん惹かれていく。

「え……あっ!」

 太ももの内側を撫で、足の付け根に指を這わせた。

「そ、そんなところ」
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