鉄仮面CEOの溺愛は待ったなし!~“妻業”始めたはずが、旦那様が甘やかし過剰です~
ふたりきりのリビングで、シャンパンで乾杯をしながら祝われる。
なんだか胸がぎゅっとするくらい幸せだ。
「本当はな、毎年……祝いたかったんだ」
そう言って玲司さんはシャンパンを口に含む。私は照れて眉を下げた。だってそう言う玲司さんはもっと照れているのがわかったから。
「二十七になりました」
「俺もじきに三十路だな」
玲司さんの誕生日は十二月だ。
「何が欲しいですか」
「今日は君の誕生日だろ」
笑って玲司さんは言い立ち上がる。そうしてリビングを出ていき、戻ってきた彼の手には紙袋があった。
「わ、ありがとうございます!」
お願いしていたストールだろう、と受け取る。包みを開けば、真っ白で暖かそうなストールだった。
「かわいい! ありがとうございます」
さっそく巻いてみせると、満足そうに玲司さんは目を細めた。
「思ったとおり似合ってる」
「ありがとうございます」
えへへ、と頬を緩めた。
大好きな玲司さんからプレゼントをもらってニヤニヤしてしまっている私に、玲司さんはもうひとつ、小さな紙袋を渡してくる。
「え」
「これもプレゼントだ」
「えええ」
私は目を見開いた。も、もうひとつだなんて!
「ひとつで十分です!」
「そう言うな。店に返すわけにもいかないだろ」
「う、あ、ありがとうございます……!」
お礼を言いつつ受け取り、紙袋を覗く。
入っていた真っ白な箱のリボンを解くと、出てきたのは同じく真っ白なアクセサリーケースだ。
「これは……?」
心臓がときめいた。こんなサプライズまでしてくれるだなんて。
「気に入ってくれるといいんだが」
心なしか、玲司さんの声も緊張している。
開いてみて一瞬言葉を失った。
「綺麗……」
思わず呟く。キラキラして眩しく思うほどのダイヤがよっつ、バランスよく配置されたネックレスだった。
ダイヤのうちひとつは、不思議な深みのある桜色をしていた。
「これ、桜の花びらみたい……」
「ふと、思い出してな」
玲司さんは目を細めた。
「最初、君にプロポーズしようとしてお見合いを薦められたレストランで」
「す、薦めたわけでは……っ」
申し訳なくて肩をすくめる私に、玲司さんは楽しげに笑って続ける。
「あのレストランで、君は言ってたよな。花見がしたいと──連れて行ってやれなかった。今年のぶんはこれで勘弁してくれ。来年は盛大に行こう」
なんだか胸がぎゅっとするくらい幸せだ。
「本当はな、毎年……祝いたかったんだ」
そう言って玲司さんはシャンパンを口に含む。私は照れて眉を下げた。だってそう言う玲司さんはもっと照れているのがわかったから。
「二十七になりました」
「俺もじきに三十路だな」
玲司さんの誕生日は十二月だ。
「何が欲しいですか」
「今日は君の誕生日だろ」
笑って玲司さんは言い立ち上がる。そうしてリビングを出ていき、戻ってきた彼の手には紙袋があった。
「わ、ありがとうございます!」
お願いしていたストールだろう、と受け取る。包みを開けば、真っ白で暖かそうなストールだった。
「かわいい! ありがとうございます」
さっそく巻いてみせると、満足そうに玲司さんは目を細めた。
「思ったとおり似合ってる」
「ありがとうございます」
えへへ、と頬を緩めた。
大好きな玲司さんからプレゼントをもらってニヤニヤしてしまっている私に、玲司さんはもうひとつ、小さな紙袋を渡してくる。
「え」
「これもプレゼントだ」
「えええ」
私は目を見開いた。も、もうひとつだなんて!
「ひとつで十分です!」
「そう言うな。店に返すわけにもいかないだろ」
「う、あ、ありがとうございます……!」
お礼を言いつつ受け取り、紙袋を覗く。
入っていた真っ白な箱のリボンを解くと、出てきたのは同じく真っ白なアクセサリーケースだ。
「これは……?」
心臓がときめいた。こんなサプライズまでしてくれるだなんて。
「気に入ってくれるといいんだが」
心なしか、玲司さんの声も緊張している。
開いてみて一瞬言葉を失った。
「綺麗……」
思わず呟く。キラキラして眩しく思うほどのダイヤがよっつ、バランスよく配置されたネックレスだった。
ダイヤのうちひとつは、不思議な深みのある桜色をしていた。
「これ、桜の花びらみたい……」
「ふと、思い出してな」
玲司さんは目を細めた。
「最初、君にプロポーズしようとしてお見合いを薦められたレストランで」
「す、薦めたわけでは……っ」
申し訳なくて肩をすくめる私に、玲司さんは楽しげに笑って続ける。
「あのレストランで、君は言ってたよな。花見がしたいと──連れて行ってやれなかった。今年のぶんはこれで勘弁してくれ。来年は盛大に行こう」