【短】6月のキミとメランコリー
現実は、学校が終わっても図書室で勉強して家に帰っても寝るまで勉強。そして休日は図書館や塾で一日中勉強。
「あなたは勉強しかとりえがないのよ。せめて一流大学の医学部入りなさい。」
と母からよく言われるこの言葉はもう聞き飽きてしまった。
勉強なんてしたくない。
医学部なんて興味ない。
なんて思ってても実際に口にだせたことは1度もない。勉強漬けの日々をただ繰り返すだけ。
深いため息を吐きつつ階段をのぼりきると
教室に人影が見える。
あたりは薄暗くなり、雨はさっきよりもいっそう強さを増していた。
教室を少し覗くと窓際の1番後ろに座って佇む男子生徒がいた。